神田四季報

個別の銘柄・株価分析。バリュー投資の教えのまとめ。

(株)paperboy&co.3633 企業・株価分析

買ったのは100株ほどです。この会社は、レンタルサーバー事業者だけど、競合のレンタルサーバーの会社と比較すると、展開の仕方が違うビジネス構造です。利益率が高く今後の推移も堅いと思って買いました。

 

■ この会社について

paperboy&coは、インターネットのレンタルサーバー事業やECのショッピングカートのレンタルを行っている会社で、GMOの子会社です。

読み方は、ペパボ(ペッパーボーイの略)

2004年3月に設立されて、2008年12月19日にJASDAQへ上場しています。

10年以上、黒字続きの会社です。 

 

■ 直近の売上と利益(2012年1 2月期)

売上高 38.0億円 (11.4%増)

営業利益 6.8億円 ( 4.9%増)

経常利益 6.9億円 ( 1.4%減)

■ 収益の状況

7割がレンタルサーバー事業で、2.3割がECのカートレンタルの事業、あとはレンタルブログサービスや広告です。

 

■ 比較対象の企業

同じようなレンタルサーバー事業を行っている会社は、それこそ無数有りますが、上場企業の中で、それなりにレンタルサーバーの市場シェアを持っていると思われる企業は、4社あります。NTTコミュニケーションズ大塚商会GMOさくらインターネットです。

・ただし、個人と中小企業向けに特化しているのは、さくらインターネットだけで、他の会社は対象が企業がメインだと思うので、他は比較対象から除外します。※過去にネットワーク構築の仕事をしていた経験からの判断なので参考までに。 

・また、GMOはpaperboy&coの親会社です。ちなみに、GMOインターネット株式会社が7割近くの株を保有しています。

参考:http://www.kabupro.jp/code/3633.htm

・明確な数字の比較は、残念ながらできませんが、個人の利用率は、paperboy&coが最も高いのではないかと思っています。

 

 ■ 注目したポイント

 さくらインターネットと比較して、特に思ったことは利益率が高い。

ここ3年間の純利益の率を比較すると、さくらインターネットが6.6%でpaperboy&coは、11.94%と大幅に違うんです。

どうして同じようなビジネスモデルなのに意味が分からないなーと思ったんですが、下の図を見てわかりました。

※図の抜粋は下のIRから

http://pdf.paperboy.co.jp/finance_result/20130131f.pdf

 

f:id:kanda0542:20130307132050j:plain

 上の図を見てネットワークに明るい人なら、気が付くかもしれないのですが、レンタルサーバー事業者なのに、データセンターを保有しておらず他の事業者を使っているんです。イメージで言うと、他の事業者からパペポのレンタルサービス用に大きいサーバーを借りて、複数のエンドユーザーに間貸しているんだと思います。

 

※データセンターは、顧客のサーバを預かり、インターネットへの接続回線や保守・運用サービスなどを提供する施設のことです。

引用元:http://e-words.jp/w/E38387E383BCE382BFE382BBE383B3E382BFE383BC.html

 

さくらインターネットのIRを見るとデータセンターを膨大な金で立ち上げて、自社のサービスの為に運営をしているので、経費がかさんでいます。これが普通です。

 

それなら、ペパボは他社から借りているんだったら自前でやるより、コストが高くつくはずで、安いのはおかしい!と思いますが、少しカラクリがあります。この会社は施設が無いからこそ、逆に利益率が高いです。

 

ここからは推測になりますが、親会社のGMOは同じくレンタルサーバー事業を運営していて、大手ですからデータセンターを保有しています。多分、ペパポは親会社のGMOから多少は安くサーバーを借りてきて、ペパポがユーザーへ貸しているんだと思います。

中で働いている人は良い気分はしないかもしれませんが、ある意味、ペパポという会社は、GMOレンタルサーバー事業における個人向け・中小企業向けの仲介・広告宣伝会社のような位置づけと言えるかもしれません。

だからこそ、7割近く株を保有している大株主のGMOの為にも配当性が40%になっているんだと思います。

 

「配当性向40%以上を基本方針として、 業績に連動した配当を継続的に実施」

http://pdf.paperboy.co.jp/presentation/20130201p.pdf

 

■ ビジネスモデルや今後について

レンタルサーバー事業、ECのカートレンタル事業は、不動産の賃貸と同じようなもので、一度加入すると変更するのに手間が多いので、積み上げのビジネスです。

⇒大幅に利用者が伸びることも期待はできないと思います。しっかりと、ユーザーが離反しないようにサーバーとサービスの充実をさせて、ゆっくりと成長を続けてほしいと思っています。

 

よっぽど、サーバーに「障害が多い・重い・料金に対してサービスが悪い」とならない限り、レンタルサーバー事業者を変更をする人は少ないと思います。

※自己体験からですが、私自身もペパポのHETEMLというサービスを利用していますが、ストレスを感じたことはありません。

 

・ただし、下記のような事故が起こり大量に解約される可能性もあります。

ファーストサーバ障害、深刻化する大規模「データ消失」 

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2600L_W2A620C1000000/

 

主要な事業以外にも、WEBのサイト・サービスを立ち上げたり、オンラインの書籍販売に力を入れてみようとしたりしていますが、柱となるには時間が多く必要だと思います。

・サービスは下記を見てください。

http://www.paperboy.co.jp/service/

 

 

■ 株価について

株価:3,520

PER:11.77倍

BPS:2.89倍

配当利回り:3.84%

特に目標株価を定めず、長期保有するつもりです。

 

ただし、PER25になったら売却すると思います。また、大規模なシステム障害などが発生した場合、Googleなどがすべてを覆すような画期的なレンタルサーバー事業を展開し、周囲が移行しだした場合、親会社のGMOが保有している株を大量に売る場合も売却すると思います。