神田四季報

個別の銘柄・株価分析。バリュー投資の教えのまとめ。

決算発表(ダムロン、NTTドコモ) 2013年4月27日

タムロンの第1四半期発表とドコモの決算発表がありました。ドコモは説明しているサイトが多いので、割愛しますが、割と無難にこなしたという印象です。あと、思ったよりコンテンツ課金とパケット収入が増加しているので良い傾向だと思っています。

では、タムロンを受けて

カメラ業界は苦戦?

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売上以外は昨季割れと第1四半期の数字は良くはなかったですが、CIPAのデータを見ると1月から順調に復調傾向なので、全然悲観していません。キャノンの決算発表を見てもそうですが、大きく捉えてカメラ業界は苦戦していると言えます。理由は、コンパクトデジカメが価格が下がっている事・スマートフォンの台頭で売れなくなってきているからです。また、中国・欧州の経済不調から来る購買意欲の低下も理由です。

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一眼レフは復調傾向

2013年3月分
カメラ用交換レンズ生産出荷実績表(カメラ映像機器工業会統計)
上段:数量(台)、下段:金額(千円)

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2013年3月分
デジタルスチルカメラ生産出荷実績表(カメラ映像機器工業会統計)
上段:数量(台)、下段:金額(千円)

CIPAのデータですが、タムロンが得意とする一眼レフ並びに交換レンズについては、流行や制作するのに高度な技術力が必要ということもあり、台数は減ったものの売上金額は上昇しています。
また、コンパクトデジカメ(レンズ一体型カメラ)は総出荷の台数も金額も昨年と比べると約50%と落ち込みが激しいのですが、一眼レフは80%位となっており、前月から引き続き復調傾向にあると思います。

カメラ映像機器工業会 CIPA
http://www.cipa.jp/

キャノンの通期予想が強気に!

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一眼レフの販売を行っているキャノンの第1四半期の連結決算を見ると、営業利益・純利益が昨年対比で33%減にも関わらず、通期見通しを上昇させる強気でした。

業績見通しの前提となる第2四半期以降の為替レートにつきましては、日銀の大胆な金融緩和
政策を背景に急激な円高修正が進行していますが、欧州債務問題や米国の財政問題などの不安定
な要因もありますので、米ドル 95 円、ユーロ 125 円とし、それぞれ通期の前期比で約 15 円の円安、約 21 円の円安を想定しております。

通期の連結業績見通しは、この為替レートを前提として直近の経済見通しなどを加味し、売上
高 3 兆 9,800 億円(前期比 14.4%増)、営業利益 4,500 億円(前期比 39.0%増)、税引前当期純利益 4,500 億円(前期比 31.4%増)及び当社株主に帰属する当期純利益 2,900 億円(前期比 29.1%増)としております。
キャノン第1四半期 連結決算概要
http://web.canon.jp/ir/results/2013/rslt2013q1j.pdf

為替レートの恩恵が相当ありそうです。この点では、タムロンも為替レートを米ドル85円、ユーロ115円で見込んでいますので、売上カバー・上ブレを期待させてくれます。

(4)通期の見通し
第2四半期以降の世界経済は、期後半から次第に回復基調が強まっていくものと見込んでおります。
米国経済は、雇用や住宅問題の改善に伴い、緩やかに回復していくものと見込まれます。欧州経済は、南欧を中心に景気後退が長期化する見通しです。

中国など新興国の経済は、個人消費の回復に伴い、徐々に力強さを取り戻すものと見込まれます。わが国の経済は、積極的な景気浮揚策の効果が強く期待されるようになってきており、期後半から回復基調を強めるものと期待されています。

※中略

レンズ交換式デジタルカメラの需要は、新興国市場の拡大に加え、先進国においてもユーザー層のすそ野が広がり、引き続き全地域で拡大する見通しです。

キャノン第1四半期 連結決算概要
http://web.canon.jp/ir/results/2013/rslt2013q1j.pdf

読み解くと第2四半期までは、業績が悪い可能性が高いということです。長期ホルダーは予め想定しておく必要があります。これから、タムロンの株を買おうと思っているなら、今回の決算後だったり第2Qの発表を狙うのもありかもしれません。

結論 ホールド続けます。

特にタムロンの経営が大きく変わったわけではありませんので、継続してホールドします。一眼レフの市場は今は先進国が主流ですが、アジアの新興国も一人あたりの収入が伸びれば、間違いなく買い手に入ってきますので、超長期で持ち続けます。