神田四季報

個別の銘柄・株価分析。バリュー投資の教えのまとめ。

平和の株価・銘柄分析の結果

パチンコ・パチスロメーカーの平和(6412)を割安と判断して買いました。
半年程度の保有になると思います。以下は、購入する迄の判断材料です。

平和の事業内容

  • 連結子会社(保有率80%)のPGMホールディングスはゴルフ場を保有し運営、商品販売などを行っている。

売上の構成、営業利益の推移

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※会社の事業報告書より

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  • 売上と営業利益率の推移

2009年の震災以降の4年は増収増益で利益率20%台を維持しているのは、優秀と言える数字だと思います。
2009年は落ち込んでいますが、2008年以降は順調に売上・利益を伸ばしています。2011年12月よりPGMを連結子会社にした事によって、売上と利益が大幅に増加しました。

  • 売上の構成(連結)

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私も調べていてびっくりしたのですが、PGMの売上が約50%で、利益については約30%。
PGMの比率が高いのは事業分散として良いことだと思っていて、当たり外れの激しいパチンコ事業を支えているのが分かると思います。

第45期中間報告書より
https://www.heiwanet.co.jp/ir/pdf/45_cyukan.pdf
(2012年4月1日~2012年9月30日)


MSN 平和: 財務諸表
http://jp.moneycentral.msn.com/investor/invsub/results/statemnt.aspx?symbol=JP:6412&stmtView=Ann&lstStatement=Income

また、当社は新たな収益基盤の構築と企業価値のさらなる向上を目的として、平成23年12月5日付で、ゴルフ場の保有・運営を主たる事業とするPGMホールディングス㈱の株式80.49%を公開買付けにより取得し、ゴルフ事業に進出いたしました。
なお、みなし取得日を平成23年12月31日としているため、当連結会計年度の当社グループの業績には、同社及び同社の連結子会社の平成24年1月1日から平成24年3月31日までの業績を反映しております。
https://www.heiwanet.co.jp/ir/pdf/201203_4Q.pdf
平成24年3月期 決算短信

売上と利益が変動する要素

  1. 提供する機種がヒットするか?
  2. パチンコ利用者、店舗の減少
  3. 法律の変更

ヒットが出るのか?法律はコントロールが難しい要素ですから、長期保有するには適していないと思います。
尚、子会社のPGMはゴルフ場の運営なので天候に左右されます。

差別化された事業なのか?

差別化要素は、アニメのキャラクターや芸能人などのタイアップ力や企画力。しかし、セガサミー・SANKYOなど各社に権利・ヒット商品があり、平和の寡占的な市場では無いと思います。

決算に向けた進捗状況

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第3四半期時点で進捗率が約90%と順調に推移していて、上振れる可能性も有ると思います。
※2013年3月期第3四半期より

  • ゴルフ場を運営している子会社のPGMが好調に推移しています。2013年3月までの営業実績は全店ベースで来場者数は前年比110%、営業収益109%で推移しており好調。

PGM 2013年3月 月次営業実績
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=ir_material&sid=21116&code=2466

長期的な展望

不成立でしたが、PGMによる競合企業のアコーディアへTOBを仕掛けるなど、総合レジャー企業への進出意欲がうかがえます。パチンコ・パチスロ事業は衰退傾向で、新たな収益源の確保すると共に総合カジノ企業に向けて着々と準備をしているように思います。例えばゴルフ場に併設したカジノ、ホテル経営など。

もし、カジノ合法化が豪華客船内にも及ぶようであれば、旅行のツアー企画などのノウハウがあり、豪華客船のセレナーデ号を保有していて、時価総額が2,416百万円の「ニッコウトラベル」を買収する可能性がでてくる気がします。ただし、まずはカジノ運営のノウハウが必要だと思うので、海外のカジノ企業の買収などもあるかもしれません。

アコーディア買収攻防、PGM敗戦の弁
東洋経済
http://toyokeizai.net/articles/-/12565

<市場比較>

競合との比較

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上場している大手パチンコメーカーで比較しています。各社の会社予想の通りだと、今期の決算発表は減益のためPERが悪化する企業が多いです。

①PERが8以下と割安
各企業がまちまちですが、パチンコメーカーの中で平和は割安な部類だと思います

②業績が好調
他の企業が業績不調な中、4年連続で増収増益を維持。

自己資本比率が低いのは大丈夫?
平和の子会社のゴルフ場経営のPGMは、銀行から借り入れてゴルフ場を開いているので、自己資本比率が低くなっています。
そのため、連結でみると自己資本比率が低いのですが、平和の単独の数字を見ると59.1%となっており、問題がないと思っています。

  • 君子危うきに近寄らず?

PER、配当利回り自己資本比率ROEが優れていて、カジノ銘柄としても期待ができそうなユニバーサルエンターテインメントも選択肢として検討しても良いと思います。ただ、トラブルのニュースが流されていたので、慎重に情報を精査する必要があると思います。バッシング・嫌がらせな気がしていますが、何か見えざる力による影響な気がして見極めが難しいと思います。ユニバーサルE側もIRで再三、反論を繰り広げていますから、気になる方はチェックしてみてください。

  • ユニバーサルEの話題

ユニーバーサルEのIRリリース
http://www.universal-777.com/corporate/ir/release/

ユニバーサル、2500万ドルがFBI捜査の焦点に
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE92G00N20130317

岡田氏:ウィンが利用したフリー報告書に「深刻な欠陥」
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MLOXMN6TTDS001.html

「カジノ王VS. 朝日新聞」の行方が日本経済に影響するってホント?
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1303/26/news016.html

平和の買いの判断

第3四半期までの進捗を見ると、今季数字は順調に推移している可能性が高いと思います。競合他社と比較をするとPERが割安なので、決算発表後に上昇することを期待しています。また、PGMのゴルフ場の利用者の推移が好調で、来季の決算見通しも期待できそうです。※PGMの1月~3月の来場者数が前年比109.4%で営業収益が約108%

6月にカジノの合法化が決定した時も株価が上昇の期待がもてるのも魅力の1つです。

競合他社に比べ株価が伸びなかった原因と考えられるのが、パチンコ業界自体の不調。大手各社が赤字・減益発表が相次いでいたので、敬遠されていた。平和に関しては、PGMの親会社と言う認識であったり、連結子会社化による売上・利益への貢献度が少ないと思われていた点が大きいように思っています。

安倍政権も6月にまとめる新成長戦略の柱のひとつとしてIR整備を盛り込む方向で、法案が提出されれば成立する公算は極めて大きいと言えます。
観光立国、成長戦略の起爆剤! ZAKZAK
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130429/plt1304291121001-n1.htm

平和に注目が集まる事

注目が集まれば株価上昇の可能性が出てきます。

  • 決算発表 2013年5月13日、5月14日
  • カジノ合法化の報道 6月中に何らかの動きがある模様

ポートフォリオに組み入れる比率

業績が不安定な業種ですし、今のところ長期保有するつもりもないので、1%程度の組入れにしたいと思います。
決算が悪かった場合やPERが12を超えたら売却の検討に入ります。